八方美人の頭の中

家庭のこと、仕事のこと、日々考えていることについて人目を気にせずゆるく綴ります。

今更ですが「相棒」最終回が残念すぎた件

もう散々いろんなところで書き尽くされ批判され尽くしている感がありますが、わたしとしても一言言わなければ収まらない。

ドラマ「相棒」のシリーズ13最終回の話です。

これまでのほとんどの作品を見ていて、エピソードの冒頭10秒も見ればあらすじを思い出せる「イントロドン」ならぬ「相棒ドン」ができる程度にファンなのですが、3代目相棒のカイトくん(成宮寛貴)の卒業となる今回のエピソードは、まさか製作陣が丸ごと変わって、これまでのシリーズを一切見てない人が適当に作ったんじゃないか?と思うくらいひどかった!

法の穴をすり抜けて罰せられずにいた犯罪者達をボコボコにする連続暴行犯「ダークナイト」を追うというストーリーなのですが、なんと、まさかの、カイトくんが犯人!!
しかも、3年に渡り犯行を繰り返してたということで、特命係に異動してきたのとほぼ同じ頃から彼はずっと犯罪者だったことになり、ほんとにこの3シリーズなんだったんだ状態。
これから成宮の出てる回の再放送をどんな気持ちで見たらいいんだと言ってる方いましたが、ほんとそれです。これ、絶対DVDの売り上げとか再放送の視聴率とか落ちると思うんだけど、テレ朝いいのかな笑?

相棒が変わるたびにネットに溢れる「水谷豊暴君説」「相棒実は不仲で降板説」は話半分以下にして聞いてましたが、このあまりにも雑な終わり方は、製作陣の誰かが成宮を壮絶に嫌ってるのではと思ってしまうレベル。もはやシュミテクトのCMに出てる成宮くんを見ても、「おまえほんとは暴行犯のくせに…」とジト目になっています。

そもそも相棒は、刑事ドラマの中でも群を抜く脚本のうまさ・緻密さと、相棒同士の人間関係の妙が魅力だとわたしは思ってます。
脚本は、一見ふつうの殺人事件(というのもおかしいですが)なのに捜査が進むうちに思いもよらない社会問題(ワーキングプア少年法etc.)をあぶり出したりするところ、リアルながらも予想できない展開を見せるところがとにかくおもしろい。

それぞれタイプの違う相棒と右京さんの人間関係もおもしろかった。正義感が強くて人情家な1代目相棒の亀山くんと組んで、冷静沈着なコンピューターだった右京さんが人間らしくなっていく過程とか、2代目相棒の神戸くんとのウイットに富んだやりとりとか…カイトくんは、初め正義感は強いけど短気で喧嘩っ早い火の玉小僧だったのが、右京さんと一緒にいることで人として刑事として成長して、「師匠と弟子」から「相棒」になってきた感じがよかったのに、それが裏では犯罪を犯し続けてたなんてほんとに台無し、興ざめです。これまでそんな伏線も一切なかったし。てっきり、悦子さんにずっとついててあげるためか、闘病中の悦子さんに代わって子育てするための休職って名目で卒業するのかなあ〜と想像してました。

しかもシリーズ通してあれだけ息子に厳しかった甲斐峯秋次長が、最後に掌を返すように「杉下くんにも責任がある」的なことを言い出してもはや失笑。

今回の脚本は単体で見てもひねりがなかったし。最初に、マンションのエレベーターで男をボコボコにした赤ジャンパーの男が建物を出て公園で手を洗い、マスクを外して見えたその顔がカイトくん…!!ってシーンがあったのですが、今までの相棒だと、明らかに怪しいやつは大概犯人じゃなくて、必ず気の利いたどんでん返しが用意されてたので、「カイトくんがダークナイトと見せかけて実は違うんだよね?何かからくりがあるんだよね?」と思いながらハラハラして見てたのですがやっぱりカイトくんが犯人。

普段の話では犯人の動機にも一分の理があって考えさせられる場合も多いのに、今回はそれもなし…「通り魔に妹を殺された友人の怒りを鎮めるために、復讐がどんなに馬鹿らしいことか身を以て示した」「世間から賞賛されるのは気分良かった」なんて、全然理解できないし取ってつけた感満載。

ほんと、これぞ誰得??な結末でした。

しかし今回の最終回炎上騒ぎで、周りの人たちが思ったよりもみんな相棒見てたことが分かったのは収穫でした。女友達で集まった時に「そういえば相棒の最終回がさ、」と切り出したら「見たよ!」「まじショックだよね!」と数人が乗り出してきたんです。普段いけめんが出てくるドラマとかばっかり見てきゃーきゃー言ってるミーハーなわたし達なのでびっくり。硬派な刑事ドラマなのに、これだけ老若男女に愛されるからこその長寿シリーズなんですね。それだけに、今回の必然性も妥当性もない展開は本当に残念です。


次の相棒は誰なんでしょう?
シリーズ13がこんな形で終わってしまうと、次は相当やりずらいんじゃないかと思うのですが…
候補とされてる織田裕二踊る大捜査線のイメージが強すぎてピンときません。青島くんの温度が高すぎて右京さんが霞みそうだし…(青島くんじゃないけど)
仲間由紀恵は、初の女相棒になるし、見てみたいです。彼女の役柄も謎が多いし、なんか思わせぶりな見せ方してたので、今後も継続的に出てきそうですよね。

個人的には、カイトくんのような「若造」より、年齢的にも精神的にも少しオトナな相棒の方が落ち着いて見られる気がするので、玉山鉄二(「BOSS」での悩める不器用な刑事役がよかった)とか、桐谷健太(若いか。でも絶妙なテンポで楽しい掛け合いが見れそう)とか松田龍平(あまちゃんのミズタクのように、普段ぼさっとしてていざとなると熱いみたいなキャラでぜひ)とか見てみたいなあー…
あとは神戸くんとのコンビが好きで、もう少し見たかったので、カムバックしてくれないかなあと思ったり。神戸くんのシリーズは脚本がよくできてて、いい具合にユーモアもある秀逸なエピソードが多かった気がします。

古き良き相棒のよさを思い出すために、亀山&神戸時代のDVDでも借りに行こうかな…