八方美人の頭の中

家庭のこと、仕事のこと、日々考えていることについて人目を気にせずゆるく綴ります。

妻が一度は考える「夫の呼び方」問題

わたしの職場は女性が多く、ちょっとした、働く女性の見本市の様相を呈しています。


・家族より仕事優先で男以上に働いて出世したけど家庭は崩壊した女傑
・ついに都心にマンション買った干物系アラフォーシングル
・育児のために時短勤務するも肩身が狭いと悩むママ
・相手の好き嫌いが露骨で、嫌いな人には嫌がらせする事務職のおばさま
・仕事を辞めて単身赴任中の旦那さんについて行くか迷ってる新妻…


いろんな人生の形、家族の形があるなあと、1人の働く妻としてほんとに勉強になります。

彼女たちを見てて気づくことはいろいろあるのですが、最近面白いなと思っているのが、「夫の呼び方」です。

職場に限らず、周囲の既婚女性をみてみると、旦那さんの呼び方は大体2種類に分かれます。


a)「主人」と呼ぶ人
b) 絶対に「主人」と呼ばない人


です。

前者は、呼び方に全くこだわりがない場合が多い。時と場合によって、「主人」だったり「夫」だったり「ダンナ」だったり「彼」だったりします。ちなみにわたし自身は「主人」か「夫」派です。

一方後者は、頑なに「主人」とは呼びません。いつ何時でも、誰が相手でもほぼ「夫」もしくは「ダンナ」です。(少数派ではありますが「パパ」もいます。40を過ぎた女性が恥ずかしげもなく夫のことを「うちのパパが〜」と呼んでいる様はかなり笑えます)


これに気づいて以来、「主人」と呼ばない派の人の言動が気になってなんとなく注目していたところ、共通点が見えてきました。



それは、


自分と夫は対等な関係である。
(何なら自分の方が上なくらいである)


というプライド。


しかもこの()内が特に重要。
というのも、「主人」と呼ばない派の人は、割とオープンに夫をけなす、もしくは夫に対する諦めの気持ちを隠そうとしない傾向があるからです。

わたしの知っている「呼ばない派」の女性には、

・娘に夫の悪口を吹き込みまくってる人
・本人は優秀で有名なのに社内結婚の旦那さんが仕事できなくて有名な人
・自分の家柄にものすごい自信を持ってる人

などがいます。

ここで改めて、「主人」の意味を見てみましょう。
goo辞書によると、

家の長。一家のぬし。また、店のぬし。あるじ。「隣家の―」「老舗(しにせ)の―」
 自分の仕える人。雇い主など。「―の不興を買う」
 妻が他人に対して夫をさしていう語。「―は出張しております」
 客を迎えてもてなす立場の人。「―役をつとめる」

ふむ。

「主人」反対派の人たちが引っかかるのは恐らく12でしょう。

1は、実際彼女たちの中には夫より遥かに稼いでて、実はわたしが世帯主ですみたいな人がざらにいるので、それで夫を一家の主とは呼びたくないという気持ちがあるのだろうと推測できます。

でも2、「主人」という呼び方を、その名の通りご「主人」様という意味で使っている妻はほとんどいないでしょう。聞いてる側も、「主人」と言ったからってよもやその女性が夫と主従関係にあるとか、メイドのように夫に仕え、かしずいているとは思わないわけです。

それを分かっていても(無意識かもしれませんが)、夫を「主人」とは呼びたくない彼女たちからは、「私は自立した強い女性である」という誇りと、一方で「私にはもっとふさわしい相手がいたかもしれない」という葛藤のようなものを感じて、居心地の悪さというか、“肩肘張ってる感”を覚えてしまったりしています。
さらにもうこうなると完全に勘ぐりの世界ですが、“本当は夫を「主人」なんて呼びたくないけど、そういう肩肘張った女だと思われるのが嫌であえて「主人」と呼んでる”人もきっといるだろうとも思うのです。
夫の呼び方問題は、意外と深いかも…

それはそうと、わたしは以前から「ダンナ」という呼び方に抵抗があって(何か蓮っ葉に聞こえるイメージ)、今回せっかくだからgoo辞書で調べてみたところ、
 ほどこし。布施。転じて、布施をする人。檀越(だんおつ)。檀家。
 商家の奉公人などが男の主人を敬っていう語。「店の大―」
 商人が男の得意客を、また役者や芸人が自分のひいき筋を敬っていう語。また一般に、金持ちや身分のある男性を敬っていう。「―、これはよい品でございますよ」「顔見世に―衆を招く」
 妻が夫をいう語。他家の夫をいう場合もある。「お宅の―」
 妾(めかけ)の主人。パトロン。「―がつく」「―を取る」

こっちの方がよっぽど男尊女卑っぽくてびっくり。「主人」より遥かに「自立した強い女性」を自認する人たちにはふさわしくない呼び方に思えるのですが…知らぬが仏ですね。